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斗々屋×くるん京都オープンセミナー「はじめよう、ごみを生まない『小売』」レポート2023.1.26

 

2023年1月26日(木)に、QUESTIONにて「【2050年CO2ゼロ どこでもトーク】はじめよう、ごみを生まない「小売」」を開催しました。

前回の立命館小学校での講演に引き続き、今回も株式会社斗々屋の代表取締役である梅田温子氏にお話いただきました。

主催となったくるん京都では「みんなの力で循環する暮らしへ」と掲げて、量り売りやマイ容器歓迎、包装なしで買い物ができるお店のマップを作成されています。容器や包装のごみを出さず、自分の容器を持参する買い物スタイルが身近になることを目指して、協力店には手作りの木製プレートを配布されており、現在協力店舗は約60店舗まで増えたようです。

▼会場に展示された「マイ容器使えます」の木製プレート  工務店から提供された廃材を活用しているため、大きさはさまざまなのも特徴です。

くるん京都プレート

▼くるん京都のメンバーが持参してくれた、ドイツの脱炭素の取組事例紹介
 消費者と生産者の両方の立場で考えることができるように、リターナブル瓶や、紙屋段ボールパッケージなどを展示いてくれていました。

ドイツの脱炭素事例
エコ包装
紙包装

▼はじめに、エコ学区サポートセンターより
今回のセミナー開催は、「2050年CO2ゼロどこでもトーク」事業の一環であることをお伝えし、京都市が目指す「2050年CO2排出量正味ゼロ」に向けて脱炭素ライフスタイルへの転換を考えるきっかけになれば、と簡単に趣旨を説明しました。

エコ学区サポートセンター

▼斗々屋のゼロウェイストの仕組み「そもそも量り売りって?」
斗々屋が出来るまでのお話から、バックヤードでもごみを出さないための工夫、仕入れ先とのやり取りや小売りで売れ残った野菜をランチの食材や保存食として活用する三毛作の取組など、とても詳しくお話を聞かせてもらいました。

斗々屋
講演会
メモ
メモ

▼売り手と買い手のパネルディスカッション
今回は売り手として3名の方がパネラーとなって話題を提供していただきました。

株式会社ヘルプ HELP一乗寺店 店舗マネージャー 橋本 晃輔 氏
京都市に3店舗のオーガニックスーパーを展開されています。40年前からオーガニック食材を広め、はやい段階でレジ袋有料化を導入される等、環境配慮に力を入れてこられました。

きたやま南山 取締役社長 楠本 公平 氏
老舗焼肉店南山では、放牧や自給飼料などで育てられたお肉を提供され、店舗内には持ち帰り用の総菜や精肉の販売もされています。また、食育に力を入れ、「さとのやま保育園」を創設され、「食と農がベースにある社会」を目指されています。

Natural foods DONGURI 赤塚 瑠美 氏(くるん京都メンバー)
有機野菜や自然食品など、人と環境にやさしい日用品を多く扱うオーガニックショップとして、家族経営でお店を営まれています。くるん京都のメンバーでもあり、日常生活の中で「気付いたらごみが出ている!」という状態を何とかできないかと、お店の中でも量り売りなどを取り入れられるようになりました。

 また、モデレーターにはくるん京都メンバーの佐藤さんが入り、消費者の立場として容器包装があるから買わないなど「こうだから買わない」という選択があることについてもお話いただきました。

佐藤さんは今回のセミナー開催をきっかけに、一般的に使用されているパッケージ(包装)の価格について調べよう!と、ネットなどでさまざまな種類のパッケージ価格について調べてくれていました。

私たちが普段何気なく購入しているものには、これだけの包装費用が含まれているのか、と驚きです。パネラーの方からも、包装に係る費用について、びっくりな数字が出ていました。

包装値段
包装値段
左から、5.95円、10.73円、16.38円、16.73円、34.13円

それぞれの店舗でごみを減らすための取組について紹介いただき、現在の課題感や今後どのように発展させるかを発表していただきました。それぞれの課題感に対しては梅田さんからアドバイスをいただき、みなさん「まだまだできることはある!」と勢いのあるやり取りが生まれていました。

パネルディスカッション
パネルディスカッション

今回のどこでもトークには、ホテル・生活宅配・農家・大学生など、さまざまな立場の方々が参加してくれました。

参加された方々の感想には、

・大学でもサステナブルなデザインについて考えることが多いので、今回のお話を聞いて、自分に出来る事から始めてみようと思いました。斗々屋さんへは1ヵ月ほど前に訪れましたが、また足を運ぼうと思います。

・小売の方向けでセミナーの内容がわからなかったらと少し心配しましたが、学生の私でも意識の面で勉強になることが多かったです。今後はよりゼロウェイストだったり、環境配慮の取組をしている店舗での購入を心がけようと思いました。より前向きな意識にしてもらえた会でした、ありがとうございました。

・とても具体的なお話がうかがえてありがたかったです。プラごみ減らしには限界がある気がしていましたが、まだまだ選択肢を増やす方法、小売店やメーカーへの投げかけなど消費者の立場からもできることはあるのだと思えました。ありがとうございました。

と、みなさん前向きに「できることから始めよう!」という声をたくさんいただいました。また、セミナーに参加されて、自身のお店でさっそく量り売りを始めてみよう!と一部の農作物の量り売りを取り入れられた事例も出ています。

どんなことも「まずはやってみよう!」と後押しし、今後もさまざまチャレンジが始まるきっかけとなるようなセミナーとなりました。


  • 日時:2023年1月26日(木)14:00-16:00
  • 場所:QUESTION 4階コミュニティステップ
  • 主催:くるん京都
  • 講師:梅田 温子 氏(株式会社斗々屋)
  • 参加者:36名

※この事業は、令和4年度「エコ学区」ステップアップ事業に係る学習会等支援業務(2050年CO2ゼロどこでもトーク)として、(公財)京都市環境保全活動推進協会が実施しました。