2023年7月24日(月)に立命館大学衣笠キャンパスにて、2050年CO2ゼロどこでもトーク「伝統産業とサステナビリティ」を開催しました。
今回の参加者は立命館大学学友会登録団体の「natuRable」のメンバー。
「natuRable」は2016年に結成された学生団体で、コロナ禍以前はミクロネシア連邦へ渡航し、現地の小学校で環境教育を実施されていました。
コロナ禍では国内を中心に環境教育活動をされており、昨年度は京エコロジーセンターで子ども向けの環境学習イベントを開催されました。
>>>「保冷剤が海に大変身!自分だけの海を作ろう!」(京エコロジーセンターブログより)
コロナの流行が収まったこの夏に、再びミクロネシアに渡航予定ということで、今後の活動に活かすべく、どこでもトークに応募してくれました。
当日はオンラインでの参加できるようにし、講師には株式会社堤淺吉漆店の専務取締役である堤卓也さんにお越しいただきました。
日本でのミクロネシア認知普及のため、現地の伝統産業を広めようと頑張る皆さんに、日本の伝統工芸「漆」と自然環境の関わりについて、さまざまな視点でお話いただきました。
▼はじめに
natuRableの副代表さんに、これまでの活動やミクロネシアについて簡単にご紹介いただきました。とってもフランクな堤さん!緊張感もほぐれて笑顔でスタートしました。
▼エコ学区サポートセンターから「どこでもトーク」と気候変動について
「どこでもトーク」の趣旨をお話した後は、ミクロネシア連邦ではどのようなことが問題になっているのか、皆さんにもお話を聞きながら環境問題や気候変動・地球温暖化について考えてもらいました。
▼講演会の様子
漆の歴史や漆と自然環境について、また堤さんの活動や、漆に対する想いをお話いただきました。
▼質問タイムで自由に交流!
講演会の後半には堤さんへの質問タイム。しっかりとお話を聞いた分、たくさん質問が出てきました。
「漆を大量生産できる技術ができて漆が広まっていくような残し方がいいのか、伝統的な技術と漆を残していきたいか」
「環境に配慮したものは作るのに手間がかかり価格が高くなる。ただお手頃な値段でそういったものもあるからそっちが選ばれがちになる。そうなった時、ビジネスとして実際のところどうなのか」
1つ1つの質問に丁寧に答えてくださった堤さん。
「漆が大量生産されても、その使い道となる行き先も考えないと、プラスチックと同じになってしまう。なくなってしまう技術は必要ないものかもしれないから、全ての過程にある人の手仕事と想いを消さないように、あたたかいモノを残していきたい」
「漆の製品は飾りにしないで使うために受け取ってほしい。そんな想いを残していくために、これからの商売の在り方を考えなければいけない。」
盛り上がる話の最後はnatuRableさんの活動の場となるミクロネシアの話へ。
ミクロネシアではごみ問題が深刻化し、それが自分事になっていないことも問題視されていました。
現地の人たちは「プラスチックってココナッツからできてるんじゃないの?」と間違った認識をする人が多い。日本でもプラスチックが何で出来ているか知らない人も多いのでは?
たくさんの対話を通して、さまざまな視点から環境問題を考える講演会となりました。
▼最後はみんなで記念写真!
今回をきっかけに交流も深まり、コラボしてみたい!という話も出ていたので、これからの活動の広がりに期待です!
講演後のアンケートでは
・漆というものからここまで世界が広がるのかと刺激を受けました。
・ものをつくる責任、つかう責任を再認識することができました。
natuRableの活動でもモノを生産して地球に還元できるような取組を行っていきます。
・私たちの小さな行動が大きなことへ導くことがあると学びました。
と、感想が綴られていました。この夏の渡航に向けて、大きな学びを得られたのではないでしょうか。
今後のnatuRableさんの活動にも注目です!
※この事業は、令和5年度「エコ学区」ステップアップ事業に係る学習会等支援業務(2050年CO2ゼロどこでもトーク)として、(公財)京都市環境保全活動推進協会が実施しました。