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Fridays For Future Kyoto×伊勢武史京都大学准教授「科学者の描く未来予想図」2023.9.2

 

2023年9月2日(土)にキャンパスプラザ京都にて、「【2050年CO2ゼロ どこでもトーク】科学者の描く未来予想図」を開催しました。

今回主催となったのは街頭スタンディング等で気候危機を訴える京都の若者グループ、Fridays For Future Kyoto(以下、FFFKyoto)の皆さん!

Fridays For Future(未来のための金曜日)は、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさん(当時15歳)の活動をきっかけに世界各地で始まった、若者たちが気候変動対策を訴えて活動するムーブメントです。

日本でも各地域で、共感する若者の間から活動の輪が広がっており、2019年にFFFKyotoとして、京都でも設立されました。

気候変動に対して危機感を抱き、実際に社会的行動を起こしているFFFKyotoのメンバーが、「気候変動問題を長年研究している伊勢先生から学び、対話することで、基本的な情報をインプットし、若者である自分達の未来・これからを一緒に考えたい」という思いからどこでもトークに応募いただきました。

▼はじめに、FFFKyotoの活動について

団体の自己紹介を兼ねてどのような活動をされているかお話いただきました。

会場にはいつもスタンディング活動で使用されている、段ボールで作ったプラカードを飾ってもらい、みなさんがどのような発信をしているのか、よくわかるようになっていました。

FFFKyoto
気候危機

▼学習会の様子

まずは伊勢先生の自己紹介!徳島で育ち、25歳でアメリカの大学へ。

大学時代は地面の中から出てくる二酸化炭素量を調べたり、木の根っこの大きさを調査したり、かなりの肉体労働だったようです。

その後大学院では植物がどのように光合成し、成長し、死んでいくのか、様々な森のシミュレーションをして、100年200年先の地球全体がどうなっていくかを研究していたとのこと。

現在もさまざまな研究をされおり、例えば北海道に住む人と京都に住む人の温度の感じ方が違うように、植物たちも冬から春になると「少し暖かくなった」という感覚を持っているとお話されていました。

植物にこういった感覚があるということは、地球温暖化が進むことで、これまでの花の開花時期や紅葉が始まる時期がずれてしまうことが考えられるようです。

とても分かりやすく、かみ砕いて説明していただいたので、研究されている内容を聞いているだけで皆さんの興味津々!

伊勢武史先生
伊勢武史先生

▼カーボンニュートラルな暮らしと炭素循環

研究されていることが、どのようなことへ繋がっていくのか、植物の光合成の仕組みや炭素循環の説明を用いて紹介いただきました。

コンピューターシミュレーションで再現した森の光合成で変化するCO2の呼吸と排出の動きを見てみると植物が持つ炭素循環の力の大きさは一目瞭然で、その炭素量に比べると、人間が化石燃料を使用して排出する量はほんのわずか。

わずかな量なのですぐにはその影響に気付けないようですが、何十年も排出し続けることで、確実にその量を増やし、カーボンニュートラルのバランスを崩してしまっているのです。

こうしたシミュレーションを使って、完璧な未来予測はできないけれど、ぼんやりとでも予測することで私達が今何をすべきか、選択する手助けになるとおっしゃってました。

伊勢武史先生
伊勢武史先生

▼「人権なくして気候危機の解決なし!」

また、国際的な視点から「地球温暖化」を考えるお話もありました。

例えば、先進国が途上国に対して、CO2排出量を規制することは平等ではなく、途上国に対してCO2を排出規制をかけて発展を妨げるより、途上国がCO2を排出しても、早く発展してもらった方が、長期的に見ると世界全体のCO2の排出量が少なくなる、という結果がIPCCの報告書にも記載されているようです。

そんな中で、FFFKyotoのプラカードにある「人権なくして気候危機の解決なし!」は重要なコンセプトであり、平等性がとても重視されているとことを教えていただきました。

気候危機

▼グループワーク「〇〇の経営者になって気候変動を考えてみる」

最後にグループに分かれて経営者の立場で気候変動の取組について考えてみました。

自由な発想でさまざまな企業の立場になって考えてみると、会社の利益と環境に対する活動を実行していくことの難しさを感じられていました。

ワークショップ
ワークショップ
ワークショップ

伊勢先生からは「100点満点の答えはない。現状が30点なら40点にしよう!」とのメッセージ。

講演会後のアンケートでは

・地球が絶妙に自然のバランスの上に成り立っていること、それを人間が崩そうとしていることを認識できた。

・100点じゃなくても少しずつよくするために活動していきたい。

・気候危機の問題を考えるとどうしてもネガティブになってしまうけど「30点を40点に」の考え方でポジティブに考えていきたい。

・グループワークで企業の立場に立って考えてみると、環境負荷を考えながらの企業活動がとても難しいなと思った。

と、メッセージをしっかり受け取り、限られた時間の中でも学びの深い講演会となりました。

日常生活で私達にできる最善策は何か。様々な選択肢の中からよりよい選択をし、よりよい未来を作っていけるとよいなと思います。


  • 日時:2023年9月2日(土)10:00-11:30
  • 場所:キャンパスプラザ京都 第2会議室
  • 主催:Fridays For Future Kyoto
  • 講師:伊勢 武史 氏(京都大学准教授)
  • 参加者数:12名

※この事業は、令和5年度「エコ学区」ステップアップ事業に係る学習会等支援業務(2050年CO2ゼロどこでもトーク)として、(公財)京都市環境保全活動推進協会が実施しました。

《お知らせ》

Fridays For Future Kyoto主催の【あなたと999人の気候マーチ】が開催されました!

2023年10月7日(土)に参加者それぞれの想いを描いたプラカードを掲げて気候危機について発信する「気候マーチ」が行われました!

円山公園から京都市役所までを歩き、「気候正義を実現しよう!」というワンメッセージを呼びかけるアクションで、大学生や高校生等の若者から親子連れや中高年の幅広い世代の方々が参加されました。

集まった方以外にも、通りすがりの方や観光客の方も途中から列に加わったりと、たくさんの方々の想いを届けるイベントになったようです。

当日の様子はFFFKyotoのインスタグラムをご覧ください→こちらから