2023年9月25日(月)に、京都市南保育所にて「2050年CO2ゼロ どこでもトーク」を開催しました。
テーマは「子どもたちと一緒に菜園活動!」。京都・向島で持続可能な農業に取り組む中嶋農園の中嶋直己さんを講師に迎え、同保育所の保育士さんたちが受講しました。
京都市南保育所では、食育として、子どもたちとの野菜づくりに力を入れています。収穫した野菜を子どもたちが調理し、食べる体験もしているとのこと。また、昨年度から園庭の雑草や枯れ葉でコンポストづくりにも取り組んでいます。
しかし、野菜がうまく成長しない年度もあり、職員の知識も少なく、どうしたらいいか悩んでいらっしゃいました。そこで、どこでもトークに応募し、中嶋農園さんから直接教えていただく機会を得たのです。
最初にエコ学区サポートセンターから、どこでもトークの趣旨と地球温暖化の現状について説明しました。
保育所でも「夏が暑すぎて野菜が育たない」と地球温暖化による気候変動を感じているそうです。
私たちの食事に地球温暖化の影響があることをお話しし、「食と環境」の視点を持つきっかけにしてほしいとお伝えしました。
次に講師の中嶋さんから、中嶋農園の取組紹介。
中嶋農園では、できるだけ環境に負荷をかけない農業を心がけ、取引先の飲食店から回収した野菜くずを堆肥化したり、地産地消を進めるために朝市を行ったり、親子などの市民対象に農業体験プログラムを提供しています。
保育士さんたちの中には、家庭菜園にも興味があるという方たちがいて、特に生ごみ堆肥に関心が集まっていました。
中嶋さんが持ってきた、生ごみ堆肥の入った土に実際に触れ、生ごみからイメージされる嫌なにおいが全くしないことに驚いた様子でした。
さて、いよいよ野菜の栽培方法を、中嶋さんから具体的に学んでいきます。
この日は、年長さんと一緒に育てるハクサイの育て方を教えていただきました。
まずは土づくり。中嶋農園の畑の土に生ごみ堆肥をブレンドした栽培土と、鶏糞(肥料)とカキ殻(土壌中和剤)を混ぜ込んでいきます。
中嶋農園の土は、湿気を含んでいて握ると固まるが、ゆするとポロポロと崩れるという、野菜を育てるのにちょうどよい土で、皆さん保育所で使っているホームセンターで買ってきた土との違いに驚いていました。
次に畝づくりと苗植え。
秋植えのハクサイは冬に収穫できるようになります。
最後に、水やりの方法や注意点など。
どの先生も積極的に動いて、熱心に学ばれている様子が印象的でした。
実施後のアンケートでは、
・実際に土を見て触って植えてみて、すごく勉強になりました。
・保育所では知らなかったことも多くて、よい学びになりました。
・保育所で行っている食育、野菜を育てるということが、子どもたちの未来、自分たちの食につながることがわかった。野菜を育てながら子どもたちに伝えられればと思いました。
・保育所でも、調理場で出る生ごみを子どもたちと土に変えることができれば、それが家庭にも伝わり広がっていくのではないかと思いました。
といった感想が。
皆さん普段は農家さんとお話する機会がないとのことで、食・農業・環境のつながりについて、さまざまな発見があった様子。
今回参加された保育士さんたちが他の保育士さんに伝えたり、保育所から家庭に情報発信するなどして、食・農業・環境のつながりへの気づきが、今後広がっていくことが楽しみです。
※この事業は、令和5年度「エコ学区」ステップアップ事業に係る学習会等支援業務(2050年CO2ゼロどこでもトーク)として、(公財)京都市環境保全活動推進協会が実施しました。