2023年12月4日(月)に、コープ御所南ビル会議室(京都市中京区)にて、2050年CO2ゼロ どこでもトークを開催しました。
主催団体は京都生協北ブロック。京都生協では組合員仲間の集まりを支援しており、交流会や学習会を企画されています。
今回はその一環として、「ファッションロス、古着の回収と再循環の仕組み」というテーマで、古着屋「SPINNS」などを運営する株式会社ヒューマンフォーラム代表 岩崎仁志さんのお話をお聞きしました。
学習会の最初に京都生協北ブロックメンバーから挨拶があり、次にエコ学区サポートセンターから「2050年CO2ゼロ どこでもトーク」の説明をしました。
深刻な気候危機に直面し、京都市は2050年までにCO2排出量を実質ゼロにすることを目標にしています。「どこでもトーク」では、地域住民・市民団体・学生などを対象に、家庭で取り組める温暖化対策をわかりやすく伝えています。
講師の岩崎さんは、まずファッション産業の変遷についてお話しされました。かつては欧米に古着を買い付けに行ってたのに、いつしか買い付け場所は発展途上国に移っていったそうです。
そして、環境省ホームページを引用しながら大量生産・大量消費されるファストファッションが登場し、日本では7割近くがごみとして廃棄されているという話が紹介されました。
>>>環境省「SUSTAINABLE FASHION これからのファッションを持続可能に」
>>>環境省YouTube動画「これからのファッションをサステナブルへ」
また、私たちがリサイクルや寄付だと思って提供した服が発展途上国へ送られてごみになっているニュースも伝えられました。
ヒューマンフォーラムでは、「生産者や販売者に求められる責任を果たすために何ができるだろう」と考え、「国内の古着を国内で循環させる」チャレンジに取り組んでいます。
これまでに4回、「循環フェス」というイベントを開催し、若者世代を中心に据えて古着の提供&回収企画を行ってきました。
リユースやリサイクルに関わるワークショップや、安心食材を用いたフードマルシェなどを組み合わせ、イベントを通じて若者文化に持続可能性を根付かせる試みを繰り返しています。
また、京都信用金庫の各支店と京都市立高校全校等に衣類回収ボックスを置く「RELEASE⇔CATCH」という取組も行っています。回収された衣服は仕分けられ、循環フェスで配布したり、「SPINNS」で販売されています。
岩崎さんのお話を聞いた後は、参加者全員で、回収された古着の仕分け体験。
テーブルの上に積み上げられた古着を、「レディース」「メンズ」「子供服」「リユース不可能な衣類」に仕分けしていきます。参加者の皆さんは、テーブルを囲んで話しながら、テキパキと分別されていました。
その後はグループごとに意見交換。実際に仕分けを体験してみて、「タグのついた未使用品も多くあった」「ジーンズ・デニム系のかさばるものが多かった」といった感想が出ました。
また、「循環フェスやRELEASE⇔CATCHを知らなかったので、情報をしっかり得られるようになりたい」「学校の制服や教材の回収ボックスが実現するといい」といった声も。
皆さん積極的に発言し、一人ひとりの意識の高さが印象的でした。
生きる上で欠かせない衣類をどのように選び、そして手放すのか。岩崎さんのお話を聞き、実際に手を動かし、仲間と話し合うことで改めて考えを深め、行動をアップデートするきっかけになるような学習会でした。
※この事業は、令和5年度「エコ学区」ステップアップ事業に係る学習会等支援業務(2050年CO2ゼロどこでもトーク)として、(公財)京都市環境保全活動推進協会が実施しました。