2023年10月19日(木)に京都市立京都工学院高等学校にて、2050年CO2ゼロどこでもトーク「資源循環によるCO2削減を、社会的アクションとして広げるには?」を開催しました。
講師は株式会社夢びとの宮本優以さん。同社は「ごみカフェKYOTO」という生ごみコンポストのプロジェクトに取り組んでいます。
この講座には、同校2年生の総合的な探究の時間(プロジェクトゼミ1)で、ごみ問題について活動する3チーム17名の生徒と先生4名が参加しました。
最初にエコ学区サポートセンターから、京都市の地球温暖化の現状についてお話をしました。
京都ではこの100年で気温が約2℃上昇し、猛暑日や熱帯夜が増加。温暖化の原因であるCO2などの温室効果ガスの発生抑制が急務です。皆さんがテーマに選んだごみも地球温暖化の原因となっています。
京都市の燃やすごみの40%が「生ごみ」。
もし生ごみを燃やさずコンポストにすれば、焼却によって発生するCO2が削減されることでしょう。
ここで講師の宮本さんにバトンタッチ。
宮本さんは、勤務する「株式会社夢びと」でカフェ事業を始めることになったとき、共同経営者の大学生から、「メニューを考える前に、お店で発生するごみの処理を考えよう」と言われ、ごみ減量について考え始めたそうです。
そして試行錯誤の末、バッグ型のコンポスト容器「LFCコンポスト」と出会い、実際に使い始めました。
その後、LFCコンポストの販売会社から「都市部ではつくった堆肥の使い道がない」という声を聞いた宮本さん。そこで、株式会社夢びとで堆肥の回収会を行い、洛西の藍染め農家に提供する道を開拓しました。
堆肥の回収会に参加した人たちが、堆肥の送り先である畑へ出かけ、京藍の収穫と藍染め体験をする会も開催。
このようにごみカフェKYOTOは、誰もが持っている「生ごみ」を通じて人と人がつながり、市民ひとりひとりが循環の担い手になるコミュニティづくりを目指しています。
次は、生徒たちのごみ問題についての活動を、各グループから発表してもらいました。どれもごみ問題について自分事として考え、それを解決するために自分たちができることをやってみるという素晴らしい発表でした。
そして、宮本さんと京都市職員から、各活動に対してアドバイス。
実施後のアンケートには、
・今まで学校内でしか発表していなかったので、新しい意見が聞けてよかったです。
・学生の目では発見できなかったことや、新しい考えを知ることができました。
・活動している人たちからアドバイスをもらえるのが、とてもいいなと思った。
・コンポストを取り組んでいたが、虫が来ないようにするための工夫等、思いつかないこともあった。
・ネットで調べても分からなかったことや、初めて知れたこともたくさんあったので、とてもいい経験になりました。
といったコメントが。
ただ生ごみを減らすだけではなく、「楽しく」活動して、その先に社会課題の解決やコミュニティづくりを目指す「ごみカフェKYOTO」。
具体的なコンポストのノウハウから社会課題との結びつけ方まで、高校生たちにさまざまな学びを提供する機会となったようです。
>>>京都工学院高校ホームページにも当講座の様子をご紹介いただきました。
※この事業は、令和5年度「エコ学区」ステップアップ事業に係る学習会等支援業務(2050年CO2ゼロどこでもトーク)として、(公財)京都市環境保全活動推進協会が実施しました。