2023年12月16日(土)に、京都市下京いきいき市民活動センターにて、2050年CO2ゼロどこでもトークを開催しました。
主催団体はNPO法人京都カラスマ大学。京都の街をキャンパスに見立てて、誰でもいつでも学べる場づくりをされています。
今回のテーマは「生ごみを捨てない暮らし。コンポストでおいしい野菜。」
コンポスト=堆肥について、「何それ?初めて聞いた」という人や「興味があるけど踏み出せない」という人たちの背中を「軽く押すような学びの場を作りたい」と選ばれたプログラムです。
講師は株式会社夢びとの宮本優以さん。同社は「ごみカフェKYOTO」というコンポストのプロジェクトに取り組んでいます。コンポストのお話から、コンポストを通じてつくられた街の中の資源循環のお話まで、さまざまな循環の仕組みを学ぶ機会となりました。
京都カラスマ大学から簡単なワークショップがありました。
「今日、呼ばれたい名前」「普段、何してる人?」「コンポスト、してますか?」「生ごみ、どうしてる?」の4つの質問について、答えをそれぞれ紙に書いてもらい、参加者がお互いに自己紹介をしました。
参加者は、大学生・保育士・家庭菜園をされている方など、職業も年代もさまざまな人たちが集まっていました。半数以上の人はコンポストをしておらず、中には「コンポストという言葉を全く知らなかった」という方もおられました。
それぞれが発話することにより、「教わる」のではなく「学び合う」場の雰囲気ができあがっていきます。京都カラスマ大学が大切にしている少人数ならではの学びの仕掛けだそうです。
会場の雰囲気が和らいだところで、エコ学区サポートセンターから、京都市の地球温暖化の現状やどこでもトークのプログラムについてお話をしました。
燃やすごみの中に生ごみが多く含まれており、生ごみを減らすことで焼却時のエネルギー消費を減らすことができることをお伝えし、講演会が始まりました。
講師の宮本さんからは、まずコンポストとの出会い、そしておしゃれなバッグ型のコンポスト容器「LFCコンポスト」の使い方などをお話しいただきました。
そして、ごみカフェKYOTOが取り組む循環プロジェクトのお話では、単にコンポストで生ごみが減って資源が循環するだけではなく、その活動を通してつくられた街の中の大きな循環ストーリーを聞かせていただきました。
「LFCコンポストを使用し始めて、生ごみは宝物に感じる。そんなふうにコンポストが当たり前の世の中になってほしい」という想いも語られました。
ごみカフェKYOTOでは、コンポストを広めるだけではなく、出来上がった堆肥の回収も行われています。今回の講座は、この回収会に合わせて開催しました。講演を聞いた後は、回収会の様子の見学に。
参加者の皆さんからはたくさん質問が飛び交い、そして「生ごみでできているのに臭くない!」と驚かれていました。
最後に、下京いきいき活動センターのテラスで菜園活動をされている京都エコシューレのおふたりが、テラスを案内してくださいました。
皆さんは、菜園活動の説明に興味津々!
これまで、テラスの土はホームセンターで買ってきたものを使っていましたが、土も循環するものにしたいということで、ごみカフェKYOTOに相談したそうです。今回から回収された堆肥は、テラスの菜園活動に活用することとなりました。
この日は、大根の収穫体験もさせていただきました。
参加者の中には、「初めて自分の手で野菜を収穫した!」という方も。そして、実際にここで堆肥が使われると知って、資源循環への理解がより深まったことでしょう。
ちなみに、ここで育てられた野菜は、近くの児童館の子どもたちと一緒に収穫したり、収穫して余った野菜は、地域の子ども食堂などへも提供しているそうです。
実施後のアンケートには
といった感想が。
中には「環境活動に全く興味がなかった」「コンポストは知っているけど、どうやってやるのかわからなかった」という方もいらっしゃいました。今回のどこでもトークは、参加者の皆さんの「これまで踏み出せなかった一歩」を後押ししたのではないでしょうか。
>>>京都カラスマ大学の授業レポートはこちら
※この事業は、令和5年度「エコ学区」ステップアップ事業に係る学習会等支援業務(2050年CO2ゼロどこでもトーク)として、(公財)京都市環境保全活動推進協会が実施しました。