2022年11月28日(月)、新大宮広間で「【2050年CO2ゼロ どこでもトーク】伝統工芸とサステナビリティ」を開催しました。
参加者は一般社団法人my turnのメンバーや地域の方々8名、講師は株式会社堤淺吉漆店専務取締役の堤卓也氏に努めていただきました。
一般社団法人my turnでは、【自分を知り、活かすことで、家族、地域、企業がwell-beingになる社会の実現】を掲げ、地域のコミュニティデザインや、エシカルな生活の学び場を開催するなど、子育て中の女性が中心となり活動をされています。
これまでの活動の中で「もっと世代や業種を越えた人が集う学びの場を提供したい!」と、どこでもトークに応募されました。そして、株式会社堤淺吉漆店が【京都のこれからの1000年を紡ぐ認定企業】ということで、団体として意識されている「持続可能な社会」に繋がるのでは、と堤氏の活動に興味を持たれ、今回の学習会の実施に至りました
▼始めに一般社団法人my turnの代表よりご挨拶
▼エコ学区サポートセンターより「どこでもトーク」の趣旨説明と地球温暖化について
▼講演会の様子
「漆」の魅力や課題について、「漆」の世界へ
▼漆の商品や作品
▼漆の木と樹液を採取する道具
▼講演後の交流会
自由に堤氏へ質問できる時間をつくり、堤氏との交流を深めました
▼最後はみんなで記念撮影
会場となった新大宮広間の温かな感じと講師の堤氏の柔らかな人柄がマッチし、学習会は終始リラックスした雰囲気の中行われました。
講演の中では、漆の魅力はもちろんですが、漆が抱える課題、そして可能性についてもお話いただきました。漆の採取量が50年弱で500tから30tまで減少していること、そのスピードは地球が変化しているスピードと同じであること、そんな背景から考えられる私たちが失ってしまったものは、人と自然の親密さや暮らしの中のモノづくり。漆を始めとする伝統産業と環境の関りや、私たちの生活を改めて見つめ直す時間となりました。
また、堤氏が「漆屋」として挑戦してきた取組、「うるしのいっぽ」「BETOND TRADITION」「アサギ椀プロジェクト」などについても紹介があり、循環するモノづくり、工芸を通した人と自然の関係性についての考えをお話いただきました。
【きれいな地球と共に工芸を次世代へ】
使い捨てのプラスチック用品などが当たり前になった現代で、今回のどこでもトークでは、漆の世界を知り、そして直接漆の作品を手に取ることで、これまで私たちが知っていた「漆」とは違う「漆」の一面を知ることができました。何より、修理する事や繰り返し使う事ができる「漆」を知ることによって、私たちが目指す脱炭素ライフスタイルに向かう第一歩になったのではないでしょうか。
講演後の交流会では、堤氏に持参いただいた漆の作品に触れたり、実際の活動の様子を写真で見せていただいたりと、みなさん「漆」の世界に魅了され興味深々!堤氏にはたくさんの質問に答えていただき、参加者との交流を深め、最後まで大盛り上がりな学習会となりました。
学習会後のアンケートでは
・自分の家庭でも漆製品を増やしたり、大切に使う観点から楽しみたいと思います。
・漆の認識が大きく変わった。裏側のストーリーを知ることが行動変容につながる一歩だと思った。
・伝統工芸が身近な存在になっていくことがサステナブルに繋がっていくことだと知りました。
・1人1人ができることがあると感じました。
との感想があり、「漆」をきっかけに普段の生活から「モノを大切に永く使う」といった気持ちが、たくさんの人に芽生えればいいなあと思います!
※この事業は、令和4年度「エコ学区」ステップアップ事業に係る学習会等支援業務(2050年CO2ゼロどこでもトーク)として、(公財)京都市環境保全活動推進協会が実施しました。