食とライフスタイルに関するアンケート結果2023.3.31

 

みちづくり支援事業を通して、普段の食生活で、環境に対する意識や認知度がどのようなものか、
また食と環境に関するイベントに参加されることで、意識や行動の変化があるかを把握するため、
「食とライフスタイルに関するアンケート」を下記イベントにて計50名の方に実施しました。

  • <実施日>
  •  ・さし苗体験会(2022年6月11日)
  •  ・いもほり体験会(2022年10月15日)
  •  ・向島駅前わいわい元気バザール
  •   (2022年9月25日、12月25日、2023年3月26日)
  •  ・向島まつり(2022年10月31日)

▼イベントでのアンケート調査の様子

アンケート調査
アンケート調査

◆目次


◆普段の農産物の購入先とそこで購入する理由

日常的に農産物を購入する場所と、そこで購入する理由について聞きました。

①普段農産物はどこで購入していますか。(3つまで選択可)

全体の4割の方は日常的に「スーパー」を利用していることが分りました。
次いで、「宅配サービス」、「農産物直売所・道の駅」を利用されている方が多いようでした。
また「農産物直売所・道の駅」「生産者から直接」を利用される方は合わせて
約3割弱となっていますが、こういった場所での購入は地産地消に繋がっていきます

②上記で答えた場所で農産物を購入している理由は何ですか。(2つまで選択可)

理由としては、「家や職場などが近く便利」という回答が最も多く、
「価格の安さ」「地元の農産物が販売されている」という理由が次いで挙げられています。
「接客サービスのよさ」は、全体の2%となり、購入場所を決める理由としては、少ない結果となりました。


◆地産地消について

③購入する農産物に関して「京都府産」であることをどの程度気にしていますか。

普段の買い物の際に「京都府産」であることを「気にされている方」と
「気にしていない方」の割合はおおよそ半数で分かれました。
農作物での購入先が「京都府産」以外の農産物も多く販売されている「スーパー」と
回答する人も多かったため、そこまで気にしていない方が多い印象を受けます。


◆移動販売やマーケットについて

地元の野菜を購入する先として、移動販売やマーケット(朝市など)が増えており、
これらが身近なものになることで、「地産地消」の促進ができるのではないかと考えました。

④移動販売やマーケットが身近な物になるためには、どんなことが必要だと思いますか。(2つまで選択可)

事前に来る時間、場所がわかること」が半数弱を占めており、
次に「家の近くに来ること」が挙げられました。
販売場所が都合の良い場所でなくても、事前に来る時間と場所さえ分かれば、
身近なものとして活用される可能性があると考えられます。

▼実際の移動販売の様子(中嶋農園)

移動販売

◆イベント参加前の認識について「コンポスト」「地産地消」「循環型農業」

⑤イベント参加される前の状況についてお聞かせください。

「コンポストについて」

「コンポスト」に関しては、「知っている」「取り組んでいる、または取り組んでいたことがある」が
半数以上を占める結果となり、認知度が高いことが分りました。
また、以前から関心を持たれている方がイベントへの参加に繋がっていることも分かりました。

「知らなかった」と回答された方々に、コンポストに対するイメージを聞いてみると、以下の意見がありました。


  • <ポジティブな意見>
    ・知らなかったので、これから知りたい
    ・環境によさそう、エコになるのでいいかな
    ・生ごみを減らせる、地球によい、循環する、ロスをなくしたい
  • <ネガティブな意見>
    ・くさい
    ・臭いがする
    ・全く知らない

「生ごみが堆肥になる」ということで「エコ、環境によさそう」等ポジティブなイメージがある一方で、
「生ごみ」という言葉からネガティブなイメージを持たれている方もいました。

「地産地消について」

「地産地消」については9割の方が既に言葉を知っているという結果になりました。
先ほどの「京都府産」を意識しているか、との結果と併せてみると、言葉は知っているが、
普段から意識している人の割合は半数程度に留まっていることになります。

「循環型農業について」

「地産地消」と比較すると、認知度は3割程度低くなっていますが、「生ごみ堆肥」の認知度とはほぼ同じでした。
「コンポスト」を知っている方は「循環型農業」についても認知されている方が多く見られました。


◆イベント参加後の意識について

⑥イベントに参加されて感じた事はありますか。(複数回答可)

それぞれのイベントが、「循環型農業」について理解する場となったことがわかりました。
また、多くの方が「食の選択」に関する行動や意識が変化するきっかけとしても、有効な場を提供できたようでした。
その他の意見には、「家庭菜園を始めてみたい」という声も挙がっていました。

⑦6月のさし苗イベント参加後より、コンポストに取組みましたか。
(さし苗体験・収穫体験に参加された方にのみ実施)

イベント参加後に生ごみコンポストを作成された方の割合は、4割弱となりました。
「いいえ」と回答された方には、どのようなことがネックになっているかを聞いたところ、以下のような回答がありました。

  • ・何から始めたらいいかわからない。具体的なやり方がわからない。
  • ・虫、臭いが気になる
  • ・場所、スペースがない
  • ・生ゴミが少ない
  • ・講座に参加したいができない
  • ・前回取り組み、コバエがいやだった。
     (義実家が庭に穴を掘って埋めているのを真似てみたい。)

◆まとめ(実践事例)

今回のアンケートでは、食に関するイベントなどに環境啓発要素を組み込むことで「地産地消」
「コンポスト活動」「循環型農業」などの脱炭素ライフスタイルに繋がる手段として有効であることが分りました。

また、「地産地消」を促進する手段として考えられる、移動販売やマルシェの開催に関しては、
場所の便利さよりも「事前の情報周知」が重要であることが分りました。

食の循環イベントを実施している中嶋農園では、イベント参加者へLINE登録を促し、
移動販売などの情報を提供されています。
今や誰もが活用されているLINEでの情報発信は、受け取りやすく、
実際の様子も写真で送信することができるため、
雰囲気を伝えやすく、的確な情報提供手段となっています。

また、「コンポストを始めるネック」の意見から、今後コンポスト活動を展開するためには、以下のことが考えられます。

・「虫や臭い」「配置スペースがない」等に関しては、実際に運用されているコンポストや、
さまざまなコンポストの種類を展示・見学できる場を設け、コンポストがどのようなものかを知ってもらうことが必要。
(実施事例:わいわい元気バザール)

・「実施方法が分からない」「講座に参加したいができない」については、インターネットを通じて、
いつでもコンポストに関する情報を入手できることが有効。(実施事例:コンポストコミュニティ)

各事例に関しては、「生ごみ堆肥(コンポスト)について」の記事内で紹介しています!