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京都市立美術工芸高校×堤淺吉漆店「伝統産業とサステナビリティ」2024.8.27

 

2024年8月27日(火)に、京都市立美術工芸高校(下京区)にて、2050年CO2ゼロ どこでもトークを開催。

同校アートフロンティアコース3年生が、キャリアデザインの授業の一環として、株式会社堤淺吉漆店 堤卓也さんのお話をお聞きしました。



最初にエコ学区サポートセンターから、地球温暖化の現状と、京都市の目標「2050年までにCO2排出量実質ゼロ」について解説。


京都市立美術工芸高校×堤淺吉漆店「伝統産業とサステナビリティ」

続いて、講師の堤さんから、漆という素材を取り巻く状況と、それに対しどのような活動をしているか紹介されました。


京都市立美術工芸高校×堤淺吉漆店「伝統産業とサステナビリティ」
堤さんは、京都市下京区で115年続く漆問屋の4代目




化学塗料の普及により、漆の需要と供給は急速に減ってきています。

もとより漆は、自然から生まれ、最終的には自然に還るサステナブルな素材。 堤さんはその価値を広く知ってもらうため、サーフボードやスケートボードなどを塗装する試みや、京北でウルシを栽培しモノづくりを行う工房の運営を行ってきました。



京都市立美術工芸高校×堤淺吉漆店「伝統産業とサステナビリティ」

京都市立美術工芸高校×堤淺吉漆店「伝統産業とサステナビリティ」
ウルシの樹液採取と精製は、熟練の技が求められます




自然とさまざまな工程の職人がつながりあって実現する「モノづくりの輪」を紡ぎ、大量生産・大量消費とは対極にある、傷んだら修復して何度も使う文化の「かっこよさ」を、堤さんは発信しています。


京都市立美術工芸高校×堤淺吉漆店「伝統産業とサステナビリティ」
お話を聞いた後は、グループワーク



京都市立美術工芸高校×堤淺吉漆店「伝統産業とサステナビリティ」
それぞれのグループで、さまざまな意見が出ました




終了後のレポートには、

・自然由来の漆を使ったものづくりは、作品そのもので環境問題に警鐘を鳴らすだけでなく、つくる過程で環境に配慮することができ、持続可能な社会につながっていく。

・自分で完結するのではなく、さまざまなコミュニティとのつながりがあり、自分が何を使ってどんなものをつくったかという内容の発信ができると、私もつながりの輪の中に入れるかなと思った。

・選択することが環境に配慮する一歩になるとわかったし、今後「考えて選ぶ」という行為を大事にしたいと思った。

・問題解決をしているところに、自分の力や表現を貸したりしたいと思いました。

・伝統を受け継いでいきながら、それが廃れさせないため新しいことにチャレンジする精神に、インスピレーションを受けた。

・自分のしたいことを制限するのではなく、制限せずにやりたいことをできる社会のあり方が重要なのかなと思った。

など、芸術を学んでいるからこその気づきと学びが書かれていました。


京都の伝統産業の現場で、難題に向き合いつつも未来志向の取組を行う姿に触れた生徒の皆さん。

これからの創作活動に、どのように生かされるのか楽しみです!




●京都市立美術工芸高校のウェブサイトでもご紹介いただきました!
https://cms.edu.city.kyoto.jp/weblog/index.php?id=300407&date=20240829




  • 日時:2024年8月27日(火)10:30-12:40
  • 場所:京都市立美術工芸高等学校 マルチホール
  • 主催:京都市立美術工芸高等学校
  • 講師:堤 卓也 氏(株式会社堤淺吉漆店 専務取締役)
  • 参加者数:34名

※この事業は、令和6年度京都市「エコ学区」ステップアップ事業に係る学習会等支援業務(2050年CO2ゼロどこでもトーク)として、(公財)京都市環境保全活動推進協会が実施しました。